■日本人が見落としている“最大の発音問題”
英語の発音についてご相談を受けると、 「RとLが…」「thが…」といった“発音記号”に関する悩みが多く挙がります。
しかし、20年間英語指導を続けてきた中で、 日本語話者が最も気づいていない根本的な問題があると感じています。
それが音量です。
■学会後の典型的な相談
研究者の方から、こんなお話を伺うことがあります。
「学会発表のあと、アメリカの先生と頑張って話したのですが、 あまり通じなくて……」
文法は大きく間違っていない。 語彙も十分。 発音も壊滅的ではない。本来であれば通じるはずの英語なのに、通じない。
詳しくお話を伺うと、 原因が 音量 にあるケースが非常に多いのです。
■日本語話者は、英語を話すとき“声が小さすぎる”
これは性格ではなく、日本語という言語の構造に起因します。
・日本語は音の種類が少ない
・子音が弱くても意味が通る
・声量が小さくてもコミュニケーションが成立する
そのため、 小さな声でも日本語は成立してしまうのです。しかし、英語は音の構造が全く異なります。
英語は日本語よりも
音の種類が圧倒的に多い
子音が強く、息の量が多い
強弱(ストレス)が意味を左右する
つまり、 小さな声で英語を話すと、そもそも“音が成立しない”のです。
その結果、
・聞き返される
・通じない
・「発音が悪い」と誤解される
といった問題が起こります。
しかし実際には、 発音記号の問題ではなく、音量が原因であることが多いのです。
■聞き返されると、日本語話者は“しり込み”してしまう
日本語話者の方は、英語で聞き返されると 「自分の英語が悪いのではないか」 と感じ、声がさらに小さくなる傾向があります。
しかし、実際には 聞こえていなかっただけ というケースが非常に多いのです。
この“しり込み”が起きると、
・声がさらに弱くなる
・子音が消える
・リズムが崩れる
という悪循環が生まれます。
だからこそ、 最初に音量を改善することが、英語での自信回復にもつながります。
■発表練習では“通常の3倍の声量”をお願いしています
私の研究者向け英語教室では、 発表練習の際に必ずこうお伝えしています。
「いつもの音量の3倍ほど大きな声で話してみてください」
3倍というのは感覚的な話で実際に何dBなんて測りませんが、「気持ち的に3倍」という意味です。
声量を上げるだけで、
・子音が明確になる
・母音がクリアに聞こえる
・英語らしいリズムが生まれる
・聞き返されにくくなる
といった変化がすぐに現れます。
つまり、 音量を上げるだけで、発音の大部分が自然に改善するのです。
今日のところはこれまで!
※本記事は note に掲載した内容を転載したものです。
発音矯正マガジン(note版)はこちら